Phil Manzanera feat. Godley & Creme

ゴドレー&クレームがセッションで参加した、フィル・マンザネラのアルバムのご案内。
ロキシー・ミュージックが活動停止していた1970年代後半の作品に参加しています。
現在発売中のものを中心に。価格は調査時点での参考。
(2003/07/12)
Phil Manzanera / 801 : Listen Now [1977]

オリジナル10曲盤
Amazonジャパン US盤1418円


リマスター12曲盤
Amazonジャパン UK盤2213円
tracks

01. Listen Now
02. Flight 19
03. Island
04. Law And Order
05. Rude Awakening (*)
06. Que?
07. City Of Light
08. Initial Speed
09. Postcard Love
10. That Falling Feeling
11. Blue Gray Uniform (*)
12. Remote Control (*)
Blue tracks feat. Kevin Godley, Lol Creme
(*) = Demo / Remaster CD bonus tracks

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◆G&Cのゲスト参加第1弾。目立ってます。1曲目「Listen Now」では、I'm Not In Loveのヴォイス・ループにも似た「ふわ〜」コーラスを効果的に聴かせる。2曲目「Flight 19」でも、いかにもG&Cっていうコーラスで準主役級の活躍をしているし。アルバム自体の出来もいいです。G&Cの声のファンならお薦めしたい作品。

◆フィル・マンザネラの「Diamond Head」「801 Live」に続くソロ3作目。ケヴィン・ゴドレーとロル・クレームのどっちが…だったか忘れたが、引っ越した新居がフィルの隣だったんだそうだ。

◆2000年リマスター時に、オリジナルジャケ(上)から、トリミングした新ジャケ(下)にデザイン変更。デモ2曲が追加となった。カバーアート的には、オリジナル盤デザインのほうが好きなんだけどね。


Phil Manzanera / The Complete 801 Live at Manchester University [1977]

再発・完全盤
Amazonジャパン UK盤2213円


旧カバー9曲盤
品切れ。一応リストにあり
tracks

01. TNK (Tomorrow Never Knows)
02. Flight 19
03. Listen Now
04. Law and Order
05. Que (*)
06. City of Light (*)
07. Initial Speed (*)
08. That Falling Feeling (*)
09. Diamond Head
10. Out of the Blue
11. Remote Control
12. Miss Shapiro
13. You Really Got Me
(*) = Remaster CD bonus tracks

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◆地元マンチェスターでのコンサートに、ゴドレー&クレームが飛び入り。ちゃんと紹介されてステージに登場。これがライブのハイライトになっている。10CC脱退後の2人の生演奏はめったにないので、そういう意味でも貴重な音源。

◆1997年に発売された発掘音源。最初は9曲入り、現在は『コンプリート』と改題して13曲入り。「801Live」(1976年)に続く第2次801ツアー音源で、バンドはPhil Manzanera、Simon Ainley、Paul Thompson、Dave Skinner、Bill MacCormickの5人。ゲストとしてKevin Godley & Lol Cremeと、Andy Mackayも参加している。

◆G&C登場するのは「Remote Control」から。名前を呼ばれてステージに登場、当時未発表の新曲を歌っている。バックコーラスというより、全員で一気にガナッってるというブチ切れ方で、誰が誰だかわからんけどスリリングな演奏になっております。アンコールにも再登場し、「Miss Shapiro - You Really Got Me」メドレーにも参加。

◆傑作「801 Live」に比べたら演奏はかなり荒いけど、熱気がある好アルバム。マンザネラのギターが好きな方には大推薦しときます。

Manzanera : K-Scope [1978]

リマスター13曲盤
Amazonジャパン UK盤2213円


オリジナル10曲盤
廃盤?
tracks

01. K-Scope
02. Remote Control
03. Cuban Crisis
04. Hot Spot
05. Numbers
06. Slow Motion TV
07. Gone Flying
08. N-Shift
09. Walking Through Heaven's Door
10. You are here
11. Remote Control (Live) (*)
12. It don't matter to me (*)
13. Out of the Blue (Live) (*)
(*) = Remaster CD bonus tracks

comments

◆アルバムとしての評価ではなく、G&C参加盤としての「2人の目立ち度」からいうと、上の作品ほどはお薦めできません。まず上を聴いてね。

◆1978年発表。801関係者に、John Wetton、Mel Collins、Eddie Jobson、Kevin Godley & Lol Cremeと、のべ16人が参加した4枚目。

◆参加は2曲。「K-Scope」はロルがギズモ、「Hot Spot」でG&Cコーラス(およびケヴィンのハイファット)を披露している。ただし、前作「Listen Now」では準主役級の活躍をしていたのだが、ここではとっても大人しい。つーか、目立ってない。「K-Scope」で、どの音がギズモだかわかんないんである。元々マンザネラって人も、ヘンな音を出すギタリストなもんで。個人的には「K-Scope」「Slow Motion TV」など好きな曲があり愛聴しております。


Wetton / Manzanera [1987]

廃盤?
tracks

01. It's Just Love
02. Keep on Loving Yourself
03. You Don't Have to Leave My Life
04. Suzanne
05. Round in Circles
06. Do It Again
07. Every Trick in the Book
08. One World
09. I Can't Let You Go
10. Talk to Me
11. Have You Seen Her Tonight?

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◆ケヴィン・ゴドレーが、バック・ボーカルで参加。

◆1987年、エイジア活動停止状態のジョン・ウェットンが、フィル・マンザネラと組んだコンビ第1作(のちに第2作も発表している)。ポップなアプローチをした作品。


以下は、Godley & Cremeは参加しておりませんが、Phil Manzaneraの代表作を
(私の愛聴盤でもありますので)、お断りした上で紹介させていただきます。

Phil Manzanera : Diamond Head [1975]

オリジナル9曲盤
Amazonジャパン US盤1418円


リマスター10曲盤
Amazonジャパン UK盤2213円
tracks

01. Frontera
02. Diamond Head
03. Big Day
04. The Flex
05. Same Time Next Week
06. Miss Shapiro
07. East of Echo
08. Lagrima
09. Alma
10. Carhumba (*)
(*) = Remaster CD bonus tracks

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◆ソロ第1作。伸びやかにメロディーを歌うリード・ギター、木の葉が揺れる様なリズム・ギターと、変幻自在に使い分けるマンザネラ。そのギターを前面に出したアルバム。プログレっぽい編成だが、耳障りはとてもポップで心地よい。ボーカルはRobert Wyatt、元ロキシー・ミュージックのBrian Enoも助っ人参加、そしてJohn Wetton、Paul Thompson、Bill MacCormick、Eddy Jobsonなど旧友大挙出演。

◆1970年代中期〜後半、北関東に住むロック少年に伝説的なFM番組があった。NHK-FM土曜日15:10-18:00は、各放送局ごとにローカル編成。NHK水戸放送局では、田中勝美さんというアナウンサー担当の「水戸ロックタイム」という2時間50分全部ロックのみ!という硬派番組を2週に1回放送していた(もう1週は歌謡曲)。この番組で、プログレやジャーマン、ブリティッシュの音を覚えた人は少なくない。「ヤングジョッキー」より前の「若いこだま」時代の渋谷陽一、駆け出し時代の大貫憲章、伊藤政則もゲスト出演していたというから時代がわかる。

◆その番組のオープニングテーマに使われていたのが「Diamond Head」。今でもこの曲のイントロが流れてくると、ワクワクした気分になれる。ちなみにエンドテーマは、マクドナルド&ジャイルズの「Birdman」のコーダ部分。そういう個人的な想い出を抜きにしても、いいアルバムです。

Phil Manzanera / 801 : 801 Live

オリジナル10曲盤
Amazonジャパン US盤1418円


リマスター10曲盤
Amazonジャパン未登録
tracks

01. Lagrima
02. T.N.K. (Tomorrow Never Knows)
03. East of Asteroid
04. Rongwrong
05. Sombre Reptiles
06. Golden Hours (*)
07. Fat Lady of Limburg (*)
08. Baby's on Fire
09. Diamond Head
10. Miss Shapiro
11. You Really Got Me
12. Third Uncle
(*) = Remaster CD bonus tracks

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◆1970年代のブリティッシュ・ロックの姿を伝える名盤。フィル・マンザネラとブライアン・イーノが中心となったプロジェクト、第1期「801」の演奏を収めたもの。ロキシー・ミュージックが活動休止するころで、「暇だからみんなで何かやるか」というノリで結成されたプロジェクトだが、演奏がとてつもない。

◆フィル・マンザネラとブライアン・イーノの曲を中心に、ビートルズの「T.N.K.(Tomorrow Never Knows)」、キンクスの「You Really Got Me」をカバー。イーノが、アタマの血管ぶち切れ状態で歌う「Baby's On Fire」は必聴。下で紹介するクワイエット・サンの曲も演奏している(メンバーが、クワイエット・サンと重複している)。

◆10ccと同じように、グラムでもポップでもプログレでもない、簡単にカテゴリー分けできない、逆にいうと面白い時代の混沌としたブリティッシュ・ロックがここにある。

Quiet Sun : Mainstream [1975]

リマスター盤
Amazonジャパン US盤2426円
tracks

01. Sol Caliente
02. Trumpets with Motherhood
03. Bargain Classics (RealAudio)
04. R.F.D.
05. Mummy was an asteroid, Daddy was a small non-stick kitchen utensil
06. Trot
07. Rongwrong (RealAudio)

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◆上の「Diamond Head」「801 Live」が気に入ったら、ぜひ聴いていただきたいのがこれ。「Diamond Head」と同時に録音された“幻のバンドのアルバム”。

◆マンザネラがロキシー加入以前に参加していたのが、クワイエット・サン。このバンド自体はセミプロ止まりだったが、メンバーはPhi Manzanera、Charles Hayward、Dave Jarrett、Bill MacCormick 、Ian MacCormickと、解散後にあちこちのバンドで活躍した面々。マンザネラの第1作「Diamond Head」は、ロキシー人脈ではなく、このメンバーが再集結して録音の中心となった。

◆クワイエット・サンは、音の悪いライブ・テープしか残っていなかったそうだ。そこでついでに幻のクワイエット・サンのアルバムを録音してしまえ!と、同時に録音されたのが本作。元ロキシーのEnoも特別参加。キング・クリムゾンの「Earthbound」同様、Islandの廉価レーベル(Helpナンバー)で発売された。

◆「Lagrima」と同じ旋律で始まる攻撃的な「Sol Caliente」、801 Liveで演奏された「Rongwrong」、同「East of Asteroid」の原曲でやたら題名の長い「Mummy was an asteroid, Daddy was a small non-stick kitchen utensil」を収録。ジャズのようにインプロビゼーションを重視したスリリングな音が聴ける。マンザネラのギターも、全編硬質で攻撃的。脳ミソの中をひっかきまわしたい時にピッタリのアルバム。

Copyright : Kaz & Akira 1998-2003