10CC ミニ・ガイド

左から、ロル・クリーム、エリック・スチュワート、ケビン・ゴドリー、グレアム・グールドマン

●10CC(テン・シー・シー)というこの奇妙な名前のイギリスのバンドは
1972-1982年、再結成1992-1995年に活躍しました。
イギリス本国はもちろん、オランダ、そして日本で人気のあったバンドです。
●初代のメンバーは、上の写真の4人です。
エリック・スチュワート=ギター、キーボード、ボーカル。1960年代にウェイン・フォンタナ&マインドベンダース(後期はマインドベンダース)として、英米でナンバー1ヒットも出しています。
グレアム・グールドマン=ベース、ギター、ボーカル。1960年代は売れっ子ソングライターとして活躍。ヤードバーズ、ホリーズはじめヒット曲を書き、英米でナンバー1ヒットも出しています。自らもグループ、ソロでレコードも出しましたが、残念ながらそちらは不発。
ケビン・ゴドリードラムス、パーカッション、ボーカル。1976年に脱退。ロルとユニットを組みます。MTVがさかんになった1980〜90年代には、ロルとビデオ監督チームとしても名をはせました。
ロル・クリーム=ギター、キーボード、ボーカル。初期10CCは、ロルのファルセット・ボーカルを売物にしていました。1976年に脱退。90年代中期までケビンと活動をともにしました。

●10CC(テン・シー・シー)は、1972年8月に「ドナ」でUKレコードから全英デビューしました。ロルのファルセット・ボーカルを前面に、ビートルズの「オー・ダーリン」などのパロディを多様したコミカルな曲でしたが、これがヒット。3枚目のシングル「ラバー・ブリッツ」では全英ナンバー1に輝きました。
●アルバムは、1973年に「10CC」を、1974年に「シート・ミュージック」、1975年には、メジャーレコード会社Mercuryに移籍して「オリジナル・サウンドトラック」をリリース。全英1位、全米2位の「アイム・ノット・イン・ラブ」に後押しされ、世界的ヒットになりました。1976年に「びっくり電話〜How Dare You!」を発表後、ヒット曲を強要されるのに疲れたケビン・ゴドリー&ロル・クリームが脱退。ソロ・ユニットの活動を開始します。
●残された10CCの2人、エリック・スチュワート&グレアム・グールドマンは、1977年に第5作「愛ゆえに」を発表。SONY VAIOのCMで今年リバイバルしたこの曲は、再び全米トップ10ヒットに。このころから、やっと日本でも一般的に知られる存在となりました。この年、初来日。ほぼ同内容のイギリス録音のライブ「イン・コンサート」も発表されています。
●その後、10CCは「ブラディ・ツーリスト」「ルック・ヒア」「ミステリー・ホテル」「都市探検」を発表した後、自然消滅。グレアム・グールドマンは、アメリカのアンドリュー・ゴールドとWAXを結成し、3枚のアルバムを発表しました。
●10CCは、1992年に再結成。ゲストながら、ロル・クリームとケビン・ゴドリーも録音に参加した「ミステリー・ホテル」をリリースし、1993年に2度目の来日。1995年には「ミラー・ミラー」を発売し、3度目の来日を行いましたが、ここで10CCとしての活動はストップしていまいました。
●脱退したケビン・ゴドリー&ロル・クリームは、自らが開発に参加したギター・アタッチメント“ギズモ”の可能性を追求した3枚組アルバム「ギズモファンタジア」を筆頭に、「L」「フリーズ・フレーム」「イズミズム」「バーズ・オブ・プレイ」「ヒストリー・ミックスVol.1」「グッバイ・ブルー・スカイ」を制作。全英チャートには、「ウエディング・ベルズ」「クライ」などのヒット曲も送り込みました。
●しかし、それより有名なのが、ビデオ監督としての仕事です。ハービー・ハンコックの「ロック・イット」、エイジアの「ヒート・オブ・ザ・モーメント」、デュラン・デュランの「グラビアの美少女」、ポリスの「見つめていたい」「アラウンド・ユア・フィンガー」、エリック・クラプトンの「フォーエヴァー・マン」など“どうやって撮ったんだ?”というような視覚的に斬新なビデオクリップを数々監督し、MTV世代に影響を与えました。

●10CCの曲では「I'm Not In Love」が、ビールをはじめ何度かTV-CMに使われています。実は1975年当時は、日本では全然ヒットしなかった曲なのですが、後に再評価されてエバー・グリーンとなりました。10CCの代表曲といえるナンバーです。
●「愛ゆえに(The Things We Do For Love)」は、たぶん今回のSONY VAIOがCMデビューだったと思います。これは1977年発売時から、ラジオでもよく流れたヒット曲です。

●まさか1年に2曲、しかも連続してCMに使われるとは…と、キツネにつままれたような気分です。おかげで、このホームページも開設以来というスピードでカウンターが回っております。
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